地盤調査って何をするの?目的や調査方法を解説!

皆さん、こんにちは。東京都町田市を拠点に、敷地調査や地盤調査、地盤改良工事を手掛けている株式会社スフィーダです。


建物を設計する時には、建築予定地が、どんな土地なのか様々な調査をします。調査内容は、敷地の大きさや高低差を調べたり、インフラの整備状況を調べたり、土地にかかる法令上の制約を調べるなど多岐にわたります。今回は、そういった調査の一つである地盤調査について、目的や調査方法について解説します。




■地盤調査とは



地盤調査とは、住宅や建物を建てる前に、その土地の地面の中(地盤)がどのような地層で成り立っているかを調べることです。地盤がどの位の重さの建物を支えられるか、どのくらいの地耐力(*1)があるか、液状化の危険はないかなどがわかります。

地盤調査の目的や方法は様々で、予算や土地の状況に応じて調査内容を決定します。


(*1)地盤の耐力のこと。1㎡当たり何kNまで耐えられるかを示す数値。地盤が建物の荷重に耐えられるか、地盤沈下に対して抵抗力があるかを知ることができる。数値が大きくなるほど、重たい建物を支えられる良好な地盤といえる




■地盤調査を行う目的



地盤調査は、地盤の状態を把握するために行われます。地盤はできた経緯によって、土の粒子の混ざり具合や密度は異なります。また、土は含まれる水分量によって強度が変わります。地盤が柔らかいと家の重みに耐えきれず地盤沈下を起こす場合や、片側だけが沈み込む不動沈下をおこして建物が傾いてしまう場合があります。

地盤調査は、建物を支える支持力があるか、地盤改良工事が必要かどうかを判断するために必要な調査です。

地盤調査を行うとわかる内容について紹介します。


・地盤構成の把握・・・自然の形状を利用しているのか、切土、盛土、埋め立て地など造成された土地なのかがわかります。


・地盤の強度の把握・・・地盤を構成する物質によって、強度がわかります。岩盤であれば強い地盤、粘土や泥炭地であれば弱い地盤であることがわかります。


・地盤支持力の把握・・・荷重を支える力がどのくらいあるかがわかります。


・土質や土層の把握・・・土や砂の粒の大きさや水分の含み具合、混ざり具合によって持っている性質が変わります。土の中がどのような地層になっているかは、最も大切な要素となります。


・地下水位の把握と液状化の判定・・・地下水位の高さは、建物の耐震性に直結します。また、地下水位、土質、土層の調査結果を、地震が起きた際に液状化現状が起きやすいかどうかを判定することができます。




■地盤調査の必要性



地盤調査は、2000年に起きた阪神淡路大震災で大きな被害があったことを受けて、建築基準法が改正され義務付けられました。建物を建てる際には、専門の調査会社に依頼して行われ、地盤調査報告書が作成されます。

このデータは、住宅設計や基礎工事、に直接影響する重要な資料です。データ内容によって地盤改良工事が必要となるかを判定し、地盤に合わせた最適な工事内容を決定します。

地盤の状況を正しく把握して適切な改良工事を施すことで、安全で快適な住まいを実現することができます。正しいデータが得られなければ、建物の安全を守ることができず、家の傾きやひび割れ、液状化などの大きなトラブルを引き起こす原因となります。




■代表的な地盤調査の方法とその特徴



地盤調査の方法とそれぞれどんな特徴があるかについて紹介します。



・静的貫入試験


代表的な静的貫入試験は、「SWS試験」(スクリューウエイト貫入試験)です。以前は、「スウェーデン式サウンディング試験」と呼ばれていましたが、2020年10月に名称変更されました。

先端がスクリュー状になっているロッドを地盤にねじ込んで地盤強度を測る方法です。

最初にロッドを垂直に入れて、その上に重りを載せます。重りの重量を増やしながらロッドの沈み具合を確認し、ロッドの沈みが静止するまで確認します。そ次に、ロッドを回転させて25cm沈むまでの回転数を測定します。同時にロッドの湿り具合で地下水位を計測します。

装置の設置が比較的簡単で、1.5m四方程度のスペースがあれば実施可能です。また、調査時間も半日~1日程度なのでコストを掛けずに実施できます。深層部の性状を調べることはできませんが、およそ深さ10mまでの地盤調査において広く使われています。



・標準貫入試験


標準貫入試験の中で、代表的な手法がボーリング調査です。

地盤の土を採取するサンプラーを貫入させていくため、地盤の支持力だけでなく、地盤の構成や土質、地下水位などを細かく調査することができます。また、強固な地盤から軟弱地盤までどんな地盤でも調査可能です。

具体的な調査方法は、機械を用いて地面に円筒状の穴をあけてサンプラーを穴の底部分に設置します。その上から63.5kgの重りを76cmの高さから自由落下させて打ち込み、サンプラーが30cm貫入するまでの回数を測定します。打撃回数から支持力が計測でき、サンプラーが採取した土から、地盤構成や地下水位などが確認できます。

深層部まで調べることができますが、コストが高くなります。また、調査には5m四方のスペース、かつ、やぐらを置くための高さ5mほどの空間が必要です。ボーリング機械の運搬や搬入には4tトラックが使用されるので、狭小地などの場合、搬入経路も考慮する必要があります。



・平板載荷試験


平板載荷試験は、基礎を設置する高さまで掘削した後、角状または丸板の載荷板に地盤に荷重を加えて、地盤支持力や変形量などを測定する方法です。荷重をかける際に、バックホーなどを用いて力を加えることが一般的です。8段階に分けて、5分ごとに力を大きくしていき、最大になった後は5分ごとに力を緩めていきます。地盤の沈下の復元具合によって支持力を判定します。調査する面から60cmほど下までの表層部の地盤の地耐力を測ることができますが、それよりも深い部分を調べることができません。また、載荷板の大きさは限られているため、調査結果に問題がなくても沈下を起こす可能性があります。

直接地盤に負荷をかけて調査するので、信頼性の高い調査です。また、騒音や振動などが少ないので、近隣への影響を最小限に抑えることができます。




■まとめ


地盤調査の目的や代表的な調査方法について解説しました。建物を支える基礎をさらに下から支えているのが地盤です。地盤調査を行うと、地盤が建物の重さを支えられる耐力を持っているか、地盤の強さを数値として判断することができます。その結果を把握することで、必要な地盤改良工事や杭工事、基礎の仕様を決めることができます。長く安全に建物を使い続けるためにも、地盤調査はとても重要です。

地盤調査を専門業者へ依頼する際には、安心して任せることができる業者を見極めることが大切です。また、地盤改良も同時に任せられる会社であれば、何度も打合せを重ねる必要がないので打合せ時間の短縮がかのうですし、データだけでなく、現地の状況を把握した上での最適な工事内容の提案を受けられるはずです。

地盤調査の依頼先について考える際の参考としていただければ幸いです。


スフィーダでは、敷地調査、地盤調査、地盤改良工事を完全自社対応で行っています。重機も自社保有しており、スピーディーかつ柔軟な対応ができるのが強みです。豊富な経験によって培われた技術力により、品質の高い工事をお約束します。地盤調査や地盤改良工事をご検討の際は、スフィーダまでお気軽にご相談ください。