皆さんこんにちは。
神奈川県相模原市を拠点に、地盤改良工事を手掛ける株式会社スフィーダです。
地盤調査の仕事に興味はあるけれど、「スウェーデン式サウンディング試験ってどんなことをするの?」「実際の作業内容ややりがいが知りたい」と思ったことはありませんか?
地盤改良や建設分野への転職を考えている方の中には、地盤調査という仕事がどんな現場で、どんな技術を使って行われているのか気になる人も多いでしょう。
実は、スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)は、住宅建築や小規模工事の現場で最も多く採用されている地盤調査方法であり、専門知識を身につけることで安定したキャリアを築くことができます。
そこで今回は、スウェーデン式サウンディング試験の仕組みや調査手順、結果の見方、さらに現場で求められるスキルや将来性についてもわかりやすく解説します。
地盤調査の仕事に興味がある方や建設業界で新たなキャリアを目指す方は、ぜひ最後までご覧ください。
■スウェーデン式サウンディング試験とは

スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)は、現在の日本において最も一般的な地盤調査方法の一つです。1917年ごろ、スウェーデン国有鉄道が不良路盤の実態を調べるために採用したのが始まりで、その後スカンジナビア諸国に普及しました。日本では1954年に建設省が堤防の地盤調査として導入し、1976年にはJIS(日本工業規格)に制定。現在では戸建住宅や小規模建築物の基礎調査として広く利用されています。小回りの利く調査機を使うため、狭小地でも問題なく施工できる点が特徴です。
・スウェーデン式サウンディング試験の採用経緯
この試験は「スクリューウエイト貫入試験」とも呼ばれ、先端にスクリュー(ねじ状の金属部)を取り付けたロッドを地面に貫入させ、地盤の抵抗を測定します。スウェーデンで採用された後、日本では地盤の強度を手軽に把握できる調査法として発展しました。標準貫入試験に比べて機材が軽く、作業の効率が良いため、住宅や小規模構造物の地盤改良計画にも多く採用されています。
・狭小地にも対応できる小型調査機
スウェーデン式サウンディング試験は、装置の小型化が進み、住宅街や建物が密集する土地でも容易に実施できます。人力操作や小型機械での作業が可能で、騒音や振動も少なく、近隣環境への配慮がしやすいのが利点です。車両が入れない場所でも設置でき、調査範囲を限定せず柔軟に対応できます。
・戸建て住宅で最も普及する理由
この試験が広く使われる理由は、精度とコストのバランスが非常に良いことです。地盤の硬さや軟弱さを深さごとに把握でき、得られたデータは換算N値として数値化されます。これにより、基礎の設計や地盤改良の必要性を正確に判断可能です。日本建築学会の「小規模宅地基礎設計の手引」でも推奨されており、信頼性と実用性の高い調査方法として定着しています。
■スウェーデン式サウンディング試験の仕組み

スウェーデン式サウンディング試験は、地盤にロッド(鉄製の棒)を貫入させて地中の強さを測定する調査方法です。地面の硬さや土質の変化を連続的に把握できるため、住宅建設や地盤改良の計画に欠かせない工程です。調査は比較的短時間で行え、得られたデータから地盤の強度や支持力を数値として確認できます。
・スクリューウエイト貫入試験との違い
スウェーデン式サウンディング試験は、正式名称を「スクリューウエイト貫入試験」といい、どちらも同じ調査方法を指します。JISでは「スクリューウエイト貫入試験(JIS A 1221)」として規定されており、以前の呼称である「スウェーデン式サウンディング試験」という名称が今も一般的に使われています。両者の違いは名称のみで、方法や測定内容に違いはありません。SWSという略称でも知られています。
・試験でわかる地盤の特徴
試験では、ロッドの先端に取り付けたスクリューを地中へ押し込みながら回転させ、どれだけの荷重でどの程度貫入するかを計測します。これにより、地盤の粘性土・砂質土といった土質の違いや、深度ごとの硬さを判定できます。地盤の抵抗が大きいほど、地面が固く建物を支える力が強いことを示します。逆に、抵抗が小さい場合は軟弱地盤である可能性が高く、地盤改良工事が必要になるケースもあります。
・軟弱地盤を把握できる理由
スウェーデン式サウンディング試験は、1kN(約100kg)までの荷重を段階的にかけ、さらにハンドルで回転させて貫入させることで、地盤の摩擦抵抗やねじ込み抵抗を細かく測定します。貫入の深さごとにデータを記録するため、わずかな地層の変化も把握できます。この高い精度により、液状化のリスクや基礎の沈下リスクを早期に発見できる点が大きなメリットです。特に戸建て住宅など小規模建築物の設計では、コストを抑えつつ信頼性の高い調査が可能な方法として重宝されています。
■調査方法と測定の流れ

スウェーデン式サウンディング試験は、専用の装置を使って地盤の硬さや支持力を測定する調査です。調査手順は比較的シンプルで、作業スペースが限られた住宅地や狭小地でも実施できます。作業中に発生する騒音や振動も少なく、周辺環境への影響を抑えながら精度の高いデータを取得できるのが特長です。以下では、現場での調査の流れを順を追って紹介します。
・調査ポイントにロッドを設置

まず、地盤調査を行う位置(測点)にロッドを鉛直に設置します。ロッドとは、地面に貫入させる金属製の棒のことで、先端にはスクリューポイント(ねじ状の先端金具)を取り付けます。地中の抵抗を正確に測定するため、垂直に立てることが重要です。設置時にはロッドの接続具合や角度を確認し、測定誤差が出ないように注意します。
・段階的にロッドへ荷重を加える

次に、ロッドの上部にウエイト(おもり)を順番に載せ、荷重を段階的に加えます。荷重は0.05kN、0.15kN、0.25kN、0.5kN、0.75kN、1.0kNと増やしていき、スクリューポイントが自然に地中へ貫入するかを観察します。途中で沈み始めた場合は、その時の荷重値と貫入深さを記録します。これにより、地盤の軟弱さや抵抗の度合いが判断できます。
・25cm貫入の回転数を測定

もし1.0kNの荷重をかけても貫入しない場合は、ハンドルを操作してロッドを回転させ、ねじ込みながら25cm貫入させます。この時に必要な回転数(回転抵抗)を計測し、データとして記録します。この「25cmあたりの回転数」が地盤の硬さを表す重要な指標となります。数値が大きいほど地盤が硬く、支持力が高いことを意味します。測定は地表から地中深くまで連続して行われ、得られたデータを基に地盤の強度や構造を判定します。これにより、基礎設計や地盤改良工法の選定に必要な情報が得られるのです。
■結果の見方とN値の判断

スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)で得られるデータは、地盤の性質や支持力を判断するための重要な材料です。測定によって記録された「荷重」「回転数」「貫入量」などの数値を分析し、地盤の強度や軟弱層の有無を評価します。住宅や小規模建築物の基礎設計を行う際には、この結果が直接的に建物の安全性に関わるため、慎重な読み取りが求められます。
・N値・換算N値の違い
スウェーデン式サウンディング試験で得られたデータは、そのままでは標準貫入試験(ボーリング調査)で得られる「N値」とは異なります。そのため、SWS試験では「換算N値」という指標を用いて、両者を比較できるようにしています。換算N値とは、SWS試験で得た回転数と荷重のデータから、標準貫入試験におけるN値に相当する強度を計算したものです。これにより、より実用的でわかりやすい形で地盤の強さを評価できます。
・許容支持力の算定ポイント
換算N値をもとに地盤の「許容支持力」を算定します。許容支持力とは、建物が沈下せずに安全に支えられる地盤の強さを示す数値です。地盤の粘性土・砂質土の違いや含水比なども考慮し、各深度での支持力を計算します。例えば、軟弱地盤では支持力が小さく、建物の重さに耐えられない可能性があるため、地盤改良工事が必要になります。一方、支持力が十分であれば、追加工事を行わずに基礎設計が可能です。
・データから地盤の強度を読む
試験結果のグラフや記録データを見ると、深度ごとの貫入抵抗や回転数の変化が一目でわかります。数値の急激な上昇は、硬い地層や砂質層に到達したことを示し、逆に回転数が低い場合は軟弱層の存在を示唆します。このように、結果の見方を理解すれば、地盤の状態や層構成を正確に把握できます。これらのデータは、建物の基礎設計や液状化リスクの評価、地盤改良の必要性を判断するうえで欠かせない指標となります。
■まとめ

スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)は、戸建住宅など小規模建築物で最も一般的な地盤調査方法です。先端にスクリューを付けたロッドを地中に貫入させ、荷重や回転数を測定して地盤の強度を数値化します。小型装置で行えるため、狭小地でも対応でき、費用を抑えながら精度の高いデータを取得できるのが特徴です。
得られた換算N値や許容支持力は、基礎設計や地盤改良の判断に欠かせません。軟弱地盤を正確に把握できるため、沈下や不同沈下のリスクを防ぎ、建物の安全性を高めます。スウェーデン式サウンディング試験は、安心して建てるための最初のステップとなる重要な地盤調査法です。
■スフィーダでは、地盤改良工事スタッフを募集しています!

私たちスフィーダは、地盤調査から改良工事までを自社で一貫して行う「地盤のプロフェッショナル集団」です。住宅や建物を支える“地盤”を強く安定させることで、人々の暮らしの安全を守っています。派手さはありませんが、どんな立派な建物も私たちの仕事があってこそ成り立つ――そんな誇りを持てる仕事です。
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