皆さん、こんにちは。東京都町田市や神奈川県相模原市などを拠点に各種地盤改良工事・調査・設計などの事業を手掛けている株式会社スフィーダです。地盤調査の際に、ボーリング調査が必要なことはわかっていても、調査の目的ややり方がよくわからない、といったことはないでしょうか。
本記事では、ボーリング調査の目的や重要性について解説します。そのほかにも、ボーリング調査の種類や基本的な手順を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
■ボーリング調査とは?その目的と重要性
ボーリング調査とは、地盤調査の一種であり、地面に穴をあけることによって地層境界の深度を調べるためのものです。そのほかにも、地盤の強度や土質、地層構成や地価の推移なども調べることが可能です。
ボーリング調査の目的は、建物を建てるのに適した地盤であるかどうかを確認することです。また、単に地盤に建物が建てられるかどうかを調べるだけでなく、ボーリング調査をすることによって将来的な液状化のリスクや、有害物質での土壌汚染の可能性なども調べることができます。
■ボーリング調査はどんなときに必要?
ボーリング調査が必要なのは、主に鉄筋コンクリートなどの規模の大きな建物を建てるなどの、固い地盤を調査しなければならないときです。
また、そこまでではなくても、杭などを打ち込む必要がある場合に、比較的固い地盤であればボーリング調査が必要になります。そのほかには、埋め立て地などの、正しく地盤調査ができない場合に行うことで、正確な地盤調査が可能です。
地盤改良などで土地の状態を把握しておかなければならないときや、液状化の恐れがある場合、地盤沈下のリスクの検討を行う場合などにもボーリング調査が必要となり、正確な調査を行うことによって将来的なリスクを回避できるでしょう。
■ボーリング調査の種類
一口にボーリング調査とはいっても、その種類はさまざまなものがあります。それぞれの構法に応じて特徴が異なり、適している調査が異なるため、どの調査をするべきなのかを把握しておくことも大切です。ここでは、ボーリング調査の種類を詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
・標準貫入試験
標準貫入試験は、オモリを落下させることによって先端に取り付けた標準貫入試験用サンプラーを打ち込む試験です。オモリの重さや打ち込む高さなどは、規格で決められています。
軟弱な地盤はもとより、硬質な地盤の掘削も可能であり、直接土を採取することができるので土質の調査も可能です。
また、この試験を行うことによって、地盤の強度を判定するN 値を求めることができ、地盤や杭の支持力の算定もできます。さらに、地下水位の確認も可能である点が特徴です。
・孔内載荷試験
ボーリング孔内の孔壁を、ガス圧や油圧を用いて加圧する試験が孔内載荷試験と呼ばれるものです。加圧したときの変形量を測定することによって、地盤の強さや変形特性を調べることができます。ボーリング孔壁が崩壊さえしなければ、すべての地盤・岩盤で使用できる試験であり、設計時に必要とされる土質定数を得られます。
・揚水試験
ボーリング穴を利用した揚水試験とは、透水性を把握するために行われる試験方法であり、通常の井戸を掘る前に行われる揚水試験とは異なります。
具体的には、地下水をくみ上げることによって揚水量を求めるものであり、水位回復曲線を求めることによって最終的に透水係数を算出することが可能です。
・現場透水試験
現場透水試験もまた、ボーリング穴を利用することによって透水性を把握することができる試験です。地下水が流入するストレーナー部分をボーリングの先端に取り付けることによって、孔の中の水位を低下させます。そうすることで、水位の回復状況を把握することができるようになり、地盤の透水係数を求められるというわけです。
■ボーリング調査の方法は?基本的な手順を紹介(標準貫入試験の場合)
ボーリング調査の方法は、どの試験をするのかによっても変わってきます。ここでは、標準貫入試験の場合、どのような手順で行うのかを詳しくみていきましょう。
①土台とボーリング機械を設置し、地面に穴を掘る。
ボーリング調査をする先には、穴が必要となるため、土台とボーリング機械を設置して必要な場所に穴を掘ります。
② 試験深度まで掘削した後あと、試験用サンプラーをボーリングロッド先端に取り付け、孔底に降ろします。
決められている試験深度まで穴を掘ったら、ボーリングロッドの先端に試験用のサンプラーを取り付けます。しっかり取り付けたら、再度ボーリングを穴の底まで降ろしましょう。
③予備打ちによってサンプラーを15cm貫入させたあと、63.5±0.5kgのハンマーを76±1.0cmから自由落下させて本打ちを行います。
予備打ちによってサンプラーを15cm貫入させ、そのあとに本打ちを行います。本打ちの際には、63.5±0.5kgのハンマーを76±1.0cmから自由落下させます。
④サンプラーを土中に30cm貫入させるのに要する打撃回数を測定します。このときの打撃回数がN値です。
サンプラーを土中に30cm貫入させるのに必要となる打撃回数を測定するのが目的であり、このときの打撃階数がN値となります。
⑤サンプラーを地上に引き上げ、採取した土を観測記録し、各層の代表的試料を容器に納めて地質標本とします。
最後に、サンプラーを地上に引き上げ、採取した土を観測記録します。層の代表的試料を容器に納めることによって地質標本とします。
■ボーリング調査でわかることは?
ボーリング調査を行うことで重要なのは、調査を行うことで何がわかるのか、といった点です。ここでは、ボーリング調査を行うことでわかることをみていきましょう。
・土質
ボーリング調査では、地下の土を採取して調べることができるため、建物を建てるのに適した土質かどうかといった点がわかります。具体的には、土の強度や粘着力、密度・含水率・飽和度などを調べる必要があります。
・地層境界の深さ
ボーリング調査を行うことによって、地表から地層境界までの深度を調べることができます。
・N値(地盤の強度)
N値とは、いわゆる地盤の強度を示す値です。ボーリング調査の中でも、主に標準貫入試験の結果によって求められる値です。
オモリを自由落下させることによって打撃回数を把握するものであり、N値が高いほど地盤が強固ということになります。
・地下水位
ボーリング調査を行うことで、ある程度の地下水位を知ることができます。地下水位は、降雨量や季節などによっても変動するので厳密な値を求めることはできませんが、穴の中の水位を目安としてデータを把握します。
ボーリング調査を行う際には水を使用することもありますが、最初の水位を把握するまでは水は使用しません。地下水位を確認してから水を使用することによって、適切な値を出すことができます。
■まとめ
本記事では、ボーリング調査について詳しく解説しました。ボーリング調査を行うことで、地盤調査をすることができ、建物が建てられる地盤かどうかがわかります。
もし建物を建てるのに適していない地盤であっても、地盤改良をすることによってリスクをなくせるでしょう。そのため、ボーリング調査の結果、地盤が建築に適していない場合には、地盤改良を行うことが大切です。
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